最近、少し頭を悩ませていることがあります。
ご近所のご家庭に、我が家と同じ年頃の女の子が住んでいるのですが、虐待を受けているようなのです。身体的な虐待や性的な虐待は無いようですが、それは確かに心理的な虐待なのです。
そのご家庭は50歳前後の母親と中学生の女の子Aちゃんのいわゆる母子家庭です。そこに男性Bさんが出入りしています。
我が家の娘とAちゃんは学年は違うものの、縁あって遊び友達です。
母親と男性Bは交際と別離を繰り返し、現在は男女間の関係にあるようです。
110番通報
私はその家庭の事情を比較的詳しく把握することになったのは、2か月ほど前になります。
その夜21時前だったでしょうか、その中学生の女の子が我が家のインターホンを押して、娘に泣きながら助けてほしいと訪ねてきたのです。娘は珍しく留守にしていました。
Aちゃんがただならぬ様子だったので、背中をさすりながら話を聞きました。Aちゃんはパニックになっており、お母さんがお母さんがと泣くのです。
どうやら男性Bさんがお酒を飲むと、母親に暴力をふるうらしく、その状況真っ只中だと話します。
我が家の旦那さんも帰宅していたので、とりあえず私と旦那とAちゃん3人でAちゃんの家の前まで行きました。
Aちゃんの家から怒鳴り声か叫び声かよく分かりませんが大きな声が聞こえました。旦那さんは警察に通報する様子がなかったので、私が110番しました。
母親が暴力を振るわれているのは今日が初めてではないのです。問題は今までも同じようなことが何度もあったけれど、2階建ての壁の薄いアパートの密集地に住んでいるにも関わらず誰も通報しなかったこと。
まあよくある話だろうなと思います。
さすがに男性であっても仲裁に入るのは怖いですよね。我が家の旦那さんが行こうとしても、危ないのでとめます。
せめて通報だけでもと思っても、逆恨みが怖くてできない気持ちも分かります。親しければ介入しようとするかもしれませんが、どんな人かも分からないのに怖いですよね。
何が怖いって、自分の子どもが逆恨みの対象になることです。
実際に私自身も、母親も男性Bの顔も知りませんでした。未だに男性Bの顔は知りません。
でもAちゃんは娘と仲良くしてくれているので、我が家に何度も遊びに来ることもあって、娘の大事なお友達です。
通報したら予想通りおおごとになりました。異変に気が付いたのか、母親もすぐに出てきました。
パトカーがようやく1台来たと思ったら、通報者である私と当事者である母親に対して状況確認。追加で3台ほど、覆面パトカーや、スーツ姿の刑事さんっぽい人も登場。
お巡りさんにもう帰宅しても大丈夫ですと言われ、Aちゃんに確認しても私が付いてなくても大丈夫と言うので、旦那さんと家に戻りました。
ですのでその後のことはよく分かりません。
その日から数日後、母親とAちゃんが我が家に訪ねてきました。「先日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。」と、焼き菓子の詰め合わせを置いて帰りました。
Aちゃんが母親の横でニコニコしていたので、とりあえず大丈夫だったんだなと安心しました。
LINEでのSOS
通報事件から2か月ほど経った頃でした。
我が家の娘がLINEの画面を見せながら、「どうしたらいいと思う?」と相談してきました。
そこにはAちゃんから、「死にたい」「迷惑かけてごめん」「こんなんでは受験なんて無理」「私、死んだ方がいいかもしれない」「もうムリ」という内容がぎっしり。LINE電話もかかってきていたようですが、娘はお風呂に入っていたので出れず、かけ直しても出なかったそうです。
3画面ほどある大量のメッセージに絶句していたところ、「最近の若者は、短文、短文でLINEの文章を打つから普通よ」と娘に教えられました。
なるほど。通報事件の時のAちゃんを見ていない娘はことの重大さを分かっているのか、いないのか。
「もうムリ」とか「死にたい」とかの返事は、「大丈夫?」しかないらしく、それ以上は返す言葉が見つからない様子です。
まあ、話し言葉のように思ったことをLINEのメッセージで送る世代ですから、私の受け取り方とは違うんでしょうね。
その後、Aちゃんから大丈夫というLINEの返信があったらしいので、とりあえずLINEのスクショ(スクリーンショット)を娘から送ってもらい、どうするべきか一晩考えました。
中学校へ相談
前年度に娘の担任だった先生の携帯電話の番号を知っていたので、その先生に連絡してアポをとりました。その先生は必要のある時は学校の固定電話からではなく、携帯電話から連絡してくる今までにいなかったタイプ。
中学校に連絡するにも、誰宛に電話したらよいのか迷いました。あとで確認したら学校内にはそのような窓口はないそうです。
Aちゃんが何組かも分からないので、担任の先生も分からず。
電話を取った事務員さんや、ベテランか新人か人柄の分からない先生は、確実に対応してくれるのか。校長先生や教頭先生はあてになるのか?
そんなことを考えていると、結局、なんとなく人柄も分かっている娘の担任の先生に連絡していました。
生徒には厳しい男性の先生で、熱心という印象。Aちゃんとは学年が違いますが今年はクラス担任は受け持っていないと娘から聞いていました。
先生は「緊急な案件だと思うので、話をAちゃんの学年にあげて対応します。」と言ってくれましたが、その先のことは私には分かりません。
児童相談所へ連絡
ネットで調べてそれらしい番号に電話すると女性が応対してくれました。
数時間後に私が住んでいる地区の担当者と名乗る方から電話があり、細かいことの確認や担当の方からの質問に答える形でお話しました。
物腰は柔らかいけれど、どこか頼りない女性の方でした。
「こちらの方で早急に対応するようにします。」
そう言っていましたが、その先のことは私には分かりません。
まとめ
今回、多方面に相談や通報をして共通していたことがあります。
それは対応してくれる相手の方が、口を揃えたように言うのです。
「通報有難うございます。」
「お話、本当に有難うございます。」
「お電話、本当に有難うございます。」
その有難うという言葉に、事の重大さやどうにもならないような気がして疲れてしまいました。
ただ通っている心療内科の先生が言うには、何が出来るかではなく誰もがその状態を知っているのが大事だと教えられました。