医療レーザー脱毛とは
①医療機関で医師と看護師が常駐している。
②最終脱毛から1か月後の毛の再生率が20%以下。(米国電気脱毛協会)
③数回の施術を受けた後、再び生えてくる毛が減少、維持されること。 (米国FDA)
医療レーザー脱毛とは、レーザー照射により毛根や発毛の根源になる領域を破壊する施術です。
☆簡単にいうと、お家で電動シェーバーなどでムダ毛の自己処理をしたあと、医療機関で皮膚の中に残った毛根を含む黒い毛の部分にレーザーを当てて、毛そのものを破壊します。レーザーを当てられた毛はすぐには抜けてくれませんが、少し時間をおいて勝手に抜けてしまいます。
レーザーの光は毛周期が成長期の毛にのみ反応します。退行期と休止期の毛には反応しないため一度で全ての毛を脱毛することはできません。一定の期間をあけて数回施術することにより、対象部位全体を脱毛することができます。
☆毛が抜け落ちた後、毛が生えそろってから、再度2回目のレーザー施術をするということです。
白髪が生え始める前に脱毛を終わらせましょう!
毛周期(ヘアーサイクル)とは
医療レーザーを当てて効果のある毛と効果のない毛があることを知るには、毛周期を理解しておく必要があります。
毛周期は「成長期」、「退行期」、「休止期」の3つのサイクルで循環しています。部位などによって個人差があります。
成長期
毛母細胞が分裂をはじめ、皮膚の中で毛が伸び始めます。その後も活発に分裂して皮膚の表面に出て伸び続けます。
※医療レーザー脱毛はこの成長期の毛にのみ反応します。
退行期
毛細細胞の分裂がストップして、伸びた毛が抜け落ちます。
休止期
毛が抜け落ちた後、次の成長期を迎えるまでの休止期間です。
この休止期の毛は、まだ眠っているだけで、皮膚の毛穴の中にたくさん隠れているのです。
医療脱毛の一連の流れ
初めてのことは何でも不安なものです。おおまかな流れを知っておき心の準備をしましょう。
①脱毛の準備
医療脱毛を受ける部位の毛を、自宅にて電動シェーバーで剃っておきます。カミソリや毛抜きは、皮膚を傷つけるのでNGです。
少しの剃り残しであれば、施術前に処理してもらえますが、有料の場合と無料の場合があります。(毛が残っている状態でレーザーを当てると、確実に痛い思いをします。)
脱毛部位には、消臭・制汗剤、日焼け止め、香水等、何もつけていない状態にします。
②施術中
施術しやすい格好になり、ベットで横になります。レーザーの光が目に入らないように、アイマスクを付けてくれます。
最初に皮膚の状態を確認してもらいます。ほくろや傷のある所にペンでチェックを入れて、レーザーが当たらないようにするためです。
看護師さんが、施術か所にジェルを塗り、機械を当て、痛みの加減を確認をしながらレーザーの出力を、「痛いけど我慢できる」加減に調節してくれます。
どのような感じの痛みかというと、「ピリッとした痛み」「ゴムではじかれたような痛み」と感じる人が多いようです。
著者も感想を言葉でいうならば、皮膚の中の黒い所をチッ、チッ、チッツとレーザーで焼き切る感じで、イタッ、イタッ、イタッッが高速でくる。脱毛したことのない人は、ちょっと体験したことのない痛みかもしれません。
どうしても痛みが辛いときは、途中でも看護師さんに伝えてだいじょうです。出力を下げてくれます。人間には痛みに弱いタイプの人もいますから、次から塗るタイプの麻酔クリームや、吸うタイプの笑気麻酔(後で出てきます)を使う選択肢もあります。
痛みに関しては心配しすぎなくても大丈夫です。こればっかりは、やってみないと分からないので。
著者も痛がりなので、初めての時ものすごく心配して、1回きりの契約にしました。次から耐えられないくらい痛かったら、5回とか複数の契約は無駄になったら怖いと思ったもので。でも結局、後から追加契約にしたので差額がもったいなかったです。
③脱毛後大事なこと
・乾燥しやすくなっているので、保湿を十分に行う。
脱毛した肌は水分が不足し、見た目以上にダメージを受けています。化粧水や保湿クリームで乾燥から守りましょう。
・日焼けをしないようにする。
強いレーザーを皮膚にあてたことで、皮膚が紫外線などの刺激に弱い状態になっています。日傘や帽子、上着などの日よけを活用したり、日焼け止めを使用しましょう。
・色素沈着が起こりやすいので、こすらない。
日焼け止めや、乳液は優しく塗りましょう。
・毛抜きで毛を抜かない。
脱毛に悪影響を及ぼす可能性があります。自分で抜かなくても、自然に抜け落ちるので待ちましょう。
・数日は肌を温めすぎないようにする。
激しい運動や熱いお風呂、飲酒などで血行が良くなりすぎると、ほてりや炎症が長引くおそれがあります。
脱毛の部位
施術を受ける医療機関によって、脱毛出来る範囲やコースの金額はさまざまです。近年のトレンドとしては、顔、脇、VIOの脱毛が人気となっています。
VIO(ブイアイオー)脱毛とは
VIO脱毛とは、別名「ハイジーナ脱毛」や「デリケートゾーン脱毛」とも呼ばれていて、アンダーヘアの脱毛のことです。Vライン、Iライン、Oラインを合わせてVIO脱毛といいます。
①Vライン・・・正面から見える逆三角形の部分です。下着からはみ出てしまう部分もあり、一番広範囲になります。脱毛では好みの形に整えてもらうこともできます。
②Iライン・・・女性器の周りで、肛門の手前までを指します。蒸れやすく清潔に保つのが難しい部分です。
③Oライン・・・肛門の周りです。排泄物や経血が付きやすく、自己処理が難しい部分になっています。
別名「介護脱毛」
もう一つ、近年よく耳にするようになったのは、「介護脱毛」という言葉です。介護脱毛とは主に、VIO脱毛を指しています。
高齢になっておむつが必要になったり、トイレの介助が必要になる可能性は誰しもあることです。その時に、介護する側にも、される側にもメリットがあるのです。
拭き取りやすいため、短時間で処理を終えることが出来ますし、肌トラブルの予防にもなり、衛生的です。どうしても毛があることによって、汚れが残り雑菌が繁殖してにおいが発生しやすかったり、むれたりしてしまうのは想像がつきます。
医療レーザー脱毛は、レーザーを黒い色素に反応させて破壊させる脱毛方法なので、白髪には反応しません。近年、VIO脱毛を始める方が多くなっているのは、将来への自己投資をする人が増えたと言えるのかもしれません。
医療脱毛のメリット・デメリット
医療脱毛は医療行為です。きちんとデメリットも知っておきましょう。
メリット
①医師、看護師が常駐しているので、適切な対応してくれて安心。
火傷や、予期せぬ症状が出た場合に、医療従事者ではない美容脱毛のエステティシャンでは、その場で医療行為をすることができません。その点、医療脱毛では痛み止めや麻酔、その他の処置をその医療機関で適切に処置してくれます。
②照射パワーが強く、短期間で確実な効果が得られる。
光脱毛などの美容脱毛より、より強力な出力の機械で施術を行うことが出来ます。
③通う回数が、美容脱毛より短くて済むので、時間を有効活用できる。
効果が高いので、施術の回数が少なくて済みます。
デメリット
①レーザー照射を受けて稀に起こるリスクの例
- ざ瘡(ニキビ)の悪化
- 毛嚢炎(モウノウエン)
- 埋没毛
- 色素沈着や色素脱失
- 水泡の形成
- 火傷 etc…
②施術時に痛みがある
③医療脱毛で生えなくした毛を、もとに戻すことはできません。
医療脱毛は医療行為に該当しますので、絶対にリスクは無いとは言い切れません。皮膚の状態などで不安なことがあるときは必ず前もって申告するようにしましょう。
医療脱毛を受けることが出来ない人
契約時や脱毛前に必ず該当する項目がないかどうか書面により確認を行い、ある場合には申告が必要です。
- 2週間以内に直射日光を1時間以上浴びている人。(日焼けサロンも不可)
- 既往歴、現病歴、手術歴から医師が判断
- 服薬中や使用中の薬から医師が判断
- アレルギーから医師が判断
安全に施術を受けるためにきちんと申告することが大事です。
日焼けは医療脱毛が無理な理由
慢性的に日光を浴びている人は、やけど、色素沈着、色素脱失、発赤、腫脹のリスクが高くなります。
日焼けによりメラニンが増えると、レーザーが毛ではなく、メラニンの増えた肌に反応して火傷してしまうのです。
日焼けから2週間以降経っていても、肌のトーンがもとに戻るまでは火傷のリスクがあるため、医療脱毛は受けることができないのです。
直射日光を浴びた一例・・・スポーツ観戦、海水浴、登山、プール、運動(ゴルフ、サーフィン、スノボーなど)
笑気麻酔
脱毛はしたいけれど、どうしても痛みが不安な人には、笑気麻酔を吸いながら施術してもらう方法があります。笑気麻酔は、歯医者さんでもよく取り扱いを耳にします。
著者も歯科で笑気麻酔を受けたことがありますが、身体がリラックスして良い感じに力が抜けて、時間がたつのがあっという間です。もちろん痛みは少々感じますが、緩和されていると思います。痛みに弱い人にはあるとすごく楽だと思います。
笑気麻酔とは、鼻もしくは口からリラックス効果のある笑気ガスを吸います。鎮静と鎮痛の効果があります。
笑気ガスを吸うとすぐに効果を実感できて、笑気ガスを止めるとすぐに回復します。まれに副作用として、頭痛、吐き気、ふらつきが起こることがあります。
「鎮静」・・・恐怖心を和らげる。
「鎮痛」・・・痛みを軽減させる。
まとめ
もともと毛が濃いのに、ムダ毛処理をするごとに濃く太くなっていくムダ毛。私が医療脱毛を初めて受けたのは34歳の時です。昔に比べて医療脱毛の敷居も下がってきており、悩んでいる人には、選択肢がいろいろある時代です。
ムダ毛が少なかったり毛の薄い人には、お金を払ってまで脱毛する人の気持ちは分からないかもしれませんが、気にしている人には本当に切実な問題なのです。
医療脱毛は痛そうだし不安を感じている方や、安い買い物ではないからと迷っている方も多いと思います。
ひと昔に前に比べて、医療レーザーの機械や効果も良くなり、値段も受けやすくなっています。ムダ毛の処理はお肌も痛めますし、時間や手間もかかります。
痛みは、「これで毛が無くなるなら我慢できる!」程度の痛みでした。施術する看護師さんが、大丈夫ですか?と聞いてくれレーザーの強度を調節してくれます。痛みの感じ方には個人差があるので、我慢できないと思ったら素直に看護師さんに伝えれば大丈夫です。
筆者は医療脱毛を経験して、もっと早く医療脱毛を受ければよかったとつくづく思いました。思い立ったが吉日。悩んでいる方は、試してみる価値が十分あると思います。