保険薬局なら全国どこでも受付してもらうことができます。
しかし薬の在庫がなければ半日~1日待つこともあるので、遠方の場合は電話やFAXなどで確認してから処方箋用紙を持って行くようにしましょう。
処方箋を受け取るときに注意すること
①病院から離れた保険薬局で受け取る際は、薬の在庫があるか確認する。
②処方箋の期限、内容を確認する。
③お薬手帳を持っていく。
処方箋を受け取る際の心得
薬局でも病院と同じことを聞かれる理由
処方箋には病気や症状についての情報は一切記載されていません。そのため、薬剤師の方が適切なお薬かどうか判断する為に、症状などをあらためて聞いてくる場合があります。私の経験上、だいたい聞かれます。
病院でも話をしたのに、同じ話を薬局でも話さないといけないの?と面倒に思うかもしれませんが、間違いがないように自分の為だと理解することが大切です。
2020年9月の薬機法改正で薬剤師に対して、調剤時に限らず、必要に応じて患者の医薬品の使用状況の把握や服薬指導をすることが義務化されています。
処方箋を受け付け、医薬品を提供する最低限の対物業務だけでは今はダメなのです。医薬品提供後の服薬状況の確認や問題があった場合にはフォローをするということも、薬剤師さんの仕事だからいろいろ聞いてくれるのです。
処方箋の内容におかしい点がないか確認する
病院で処方箋を受け取った際に明らかな間違いに気づいたのであれば、すぐに受付で確認することができます。病院を出た後で気づいたことや気になる点がある場合には、薬局で伝えましょう。伝えることで事前に間違えに気づくことができ、早めに対処することが可能です。
・名前が違う人の処方箋をもってきた
・4日分のお薬と言っていたのに、なぜか14日分の処方となっている
・前回と同じと言っていたのに、新しいお薬が出されているなど
処方箋の期限
処方箋が発行された日を含めて4日間には、土日や祝日などがあった場合でも考慮されません。そのため、連休前などには特に注意が必要となります。
処方箋の書き足し・修正・コピーは犯罪です
処方箋に自分で内容を書き足したり、修正したり、コピーすることは全て違法です。お薬を多くもらいたいからと軽い気持ちで改ざんを行うことは、処罰の対象となるため絶対にしないようにしましょう。
あれこれ
コンビニと美容室並みに最近多いと思うのは処方箋薬局です。地方都市でも小規模の個人病院のそばにはセットのように、大病院のそばには複数個所に存在しています。
薬剤師が常駐しており、調剤室があるところが薬局です。保険薬局であれば、全国どこの薬局でも受け取ることができます。
かつては院外に処方箋を出さず、医師が処方した薬を病院内でお薬をうけとることがほとんどでした。
いろいろな病院で薬を処方されていた場合、服薬している薬は当人の申告でしか分からないことから、薬成分の重複、飲み合わせ等、医師のみの判断が難しかったものを、近年ではお薬手帳の発行や院外の薬剤師がより手厚く相談にのりサポートをすることで医師、薬剤師が分業をし、それぞれの専門的観点から治療をサポートすることで、適切な医療を提供する仕組みとして医薬分業が進んでいます。
処方箋薬局を自分で選ぶことのメリットとデメリット。
デメリットとしては体調が悪くて病院に行っているのに、病院から遠い所にわざわざ出向いて薬をもらうのは大変ですよね。
ちなみに私は現金で支払いをするのが嫌いなので、急いでない時にはWAONで支払いができるイオン内の処方箋薬局で薬を受け取っています。現金払いとは違って、少しですがポイントも付きますし、ウインドウショッピングをしていると待つのが苦にならず、新しい情報を得ることもあります。
メリットとしては、処方箋の期限以内であれば、家の近くやお気に入りの処方箋薬局でお薬がもらえます。薬の不安を気軽に相談できるお気に入りの薬剤師さんを見つけられれば心強いです。
ショッピングセンターやドラッグストア内であれば、待ち時間に必要なものを購入したり、時間を有効活用することが出来ます。
薬局の分類
①薬局・・・薬機法に定められた設備等の条件を満たし、都道府県知事の開設許可を得た医薬品の販売店。
②保険薬局・・・医療保険からの給付を受けられる体制、人員の条件を満たし、厚生労働大臣による保険薬局の指定を受けた薬局。
③調剤薬局・・・薬局や保険薬局が法律用語なのに対して、調剤薬局は一般用語。医薬品販売の業態として、公的医療保険の対象となる保険調剤業務を主に行っている薬局。
③ドラッグストア・・・医薬品販売の業態の一種を指す一般用語。医薬品と化粧品を中心に、日用家庭用品、文房具などの日用雑貨、食品を取り扱う店。
面対応薬局と門前薬局の違い
病院からの処方箋を受け付ける薬局には、面分業と点分業という種類に分かれます。
マンツーマン薬局とは、所定の医療機関からの処方箋しか受け付けていない薬局であり、点分業の典型です。
門前薬局
病院の敷地内や正面の道に軒を連ねる門前薬局が複数並ぶのはよく見る光景です。これまでは競合事業者が隣に存在していても、事業が成り立つ基盤がありました。門前薬局であれば自分の前の病院が採用している医薬品をそろえておけば、他の医薬品の在庫を持たなくて良いのもメリットです。
簡単に言ってしまえば、立地が良ければ高収入の経営が出来る門前薬局。しかし近年の診療報酬改定では、下記のように門前薬局を狙い撃ちした報酬の引き下げ策がとられています。
行われた診療報酬改定
2016年の診療報酬改定では、大型門前薬局が対象となる、特定病院からの処方箋集中率、処方箋の受付回数の高い薬局に、低い調剤基本料が設定されました。併せて複数店舗を持つ大規模チェーン薬局を対象とした低い調剤基本料も設定されています。
2018年の診療報酬改定では、さらに小規模な門前薬局まで対象が拡大されました。
2020年の診療報酬改定では、地域の他の医療機関からの処方箋受付を進めていない薬局にも、報酬引き下げの対象が拡大されました。
門前薬局の見通し
薬価のマイナス改定や調剤基本料の引き下げにより、門前薬局が好立地で安定して成り立つ時代は終わり、報酬で高く評価される要件を達成していく必要があります。病院前の薬局だらけの景色も変わっていくのかもしれません。
・患者への継続的な薬学的支援
・在宅地域医療などへの貢献
・オンラインを中心とした調剤業務
服薬アドヒアランスとは何か
服薬アドヒアランスとは、私たち患者自身が薬物治療の意義や服用の大切さを理解して、積極的に治療に取り組む態度のことです。
いくら医者や薬剤師が「この薬は大事ですよ。こんな効果がありますよ。」と説明しても、私たち薬を服用する患者自体が協力的でなくては高い効果は期待できません。
「直したい。良くなりたい。そのためにはきちんと薬を飲まなくては。あれ、こんな症状も出てきたので、次に病院に行った時に先生に聞いてみよう。」と、自分の飲んでいる薬に関心を持つことが必要です。そして医師や薬剤師と連携を取りながら、飲み忘れや、指示がないのに勝手にやめてしまわないように気を付けましょう。
薬の服用意識の低い理由
高血圧や糖尿病などの生活習慣病では、継続した薬の服用の効果が証明されています。しかし服薬アドヒアランスが低下する理由は何でしょうか。
①主治医からの説明不足。
患者自身が医師の治療方針に疑問や不信感を持っているケースがあります。専門用語は分かりにくく、先生の言っていることが理解できない。よく分からないが質問しづらい。ずっと通っているのに、良くなるのを実感できない等です。
②患者の治療への取り組み方に問題がある。
日常生活にさほど問題がなければ、自分が病人だという自覚がをもちにくいものです。「病気を治したい。悪化するのは避けたい。」という気持ちをきちんと持っていないと継続した服用は難しいでしょう。
かかりつけ薬剤師を作ろう
病院に時々かかる人は、かかりつけ医が決まっている人が多いのではないでしょうか。風邪を引いたときの内科はA病院の先生。眼科はB眼科の先生。耳鼻科はC耳鼻科の先生。
同じように薬をもらう時は、D処方箋薬局の薬剤師さんと決めてみてはどうでしょうか。
「かかりつけ薬剤師」とは、薬局で患者の担当となり治療をサポートする薬剤師のことです。
患者ごとに1人の薬剤師が継続して薬歴や服薬状況を管理して、適正な薬物治療をサポートする「かかりつけ薬剤師」に関する報酬が設けられました。患者の同意を得て、かかりつけ薬剤師としての業務を行った場合に、一定の点数が加算される仕組みです。
まとめ
医者から処方された薬はお医者さんと薬剤師さんからの説明を受けましょう。
薬局などで購入する第1類医薬品は薬剤師さんに説明をきちんと受けましょう。
薬局などで購入する第1類以外の薬は、用法用量を説明書をみてきちんと理解し不安な時は登録販売者さんに確認しましょう。
薬は諸刃の剣です。薬にもなれば毒にもなります。正しい知識を持つことも自分の体を守ることなのです。
服薬アドヒアランスを意識して、自分の体に積極的に働きかけてみてはどうでしょうか。