婦人薬とは何か?婦人科の受診が必要な症状や、病気のサインを知ろう。

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女性特有の症状

女性は30代後半になると、「今から子育てや出産に励む人」、「子育てがだいぶ楽になった人」、「仕事で責任ある立場に置かれバリバリ働く人」、「親の病気や介護のことを心配する人」など、人によって様々な立場におかれていると思います。

かという私は、子どもが高校生になり子どもが大きく育った分、自分が歳をとったのをふと実感することが多くなりました。まだ更年期には早いのになと思う症状で一喜一憂したり、年齢を重ねるとはこのことかと不安が強いように感じます。

これからは自分の身体と上手に付き合っていくため、最低限の知識は必要だと思うので調べたことを記事にしてみました。

女性

仕事で登録販売者の資格を取ったのも、
考えるきっかけになりました。

目次

婦人薬とは

婦人薬とは、月経及び月経周期に伴って起こる症状を中心とする、女性特有の諸症状の緩和を目的とする医薬品です。(血行不順、自律神経系の乱れ、生理機能障害等の全身的な不快症状など。)

効能効果は、血の道症、更年期障害、月経異常、冷え性、月経痛、腰痛、頭痛、のぼせ、肩こり、めまい、動悸など多岐にわたります。

婦人薬系の医薬品や生薬成分を併用すると、成分が重複して効き目が強すぎたり副作用が出る可能性が高くなります。

女性特有の諸症状

まず女性特有の主な諸症状について、簡単に説明していこうと思います。

月経異常とは

月経異常とは、正常な月経の範囲外にある状態を指します。軽視するのは危険です。身体からのSOSと受け止め、月経異常が続くようなら早めに婦人科を受診しましょう。

①初経の時期

正常な初経の時期範囲は 10歳~14歳 です。10歳未満に初経を迎えることを早発月経、15歳以上で初経を迎えることを遅発月経と呼びます。しかし身長や体重など、体格の差がが考慮されてないので、発育の良し悪しも含めて判断することが大事です。

②閉経の時期

正常な閉経年齢の範囲は 43歳~54歳 です。平均閉経時期は50歳前後と言われていますが、早い人は40代前半、遅い人で50代後半と人によって違います。

月経が1年来なくなっていたら閉経と考えてよいでしょう。

③経血量(生理の血の量)

正常な量は 20~140ml です。だいぶ個人差があります。月によって多かったり少なかったり変動するので、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。

ただし、明らかに経血の量が多いなどの違和感を感じたときは、病院で相談してみたほうが良いでしょう。自分の身体の変化は、自分が一番感じるはずです。そこには病気が隠れているかもしれません。

④月経の持続期間(生理が何日続くか)

正常な期間は 3日~7日 です。

2日以内の生理を「過短月経」、8日以上続く生理を「過長月経」と呼びます。病気が原因のことがあります。

⑤周期(生理が終わって次の生理が来るまでの期間)

正常な期間は 25日~38日 です。

⑥症状

月経前や月経中には多くの女性が不快な症状を感じることがあると思います。しかしそれが生活に支障をきたすほどになった場合に、月経異常と診断されます。ちなみに、下記のような症状があります。

月経前症候群・・・月経がはじまる3日~10日前にイライラして怒りっぽくなったり、落ち込んだり、各所に痛みが有ったりと、人によって様々な症状があります。

月経困難症・・・生理痛、腰痛、頭痛、吐き気などで辛くて寝込んでしまうなど、日常生活に支障をきたします。

毎月の生理は、女性が自分自身の身体の変化に気が付くための大事なものです。しかし症状は千差万別、女性の数だけあるもので、本人にしか分からない変化もあります。

生理とうまく付き合っていくためには、自分の身体を理解し、より効果的な自分だけの対処法を身につけることが必要になってきます。辛いときには我慢しすぎずに、病院やお薬を頼りましょう。

更年期とは

月経周期が不規則になるほか、不定愁訴としての血の道症(臓器・組織の形態的異常がなく、抑うつや寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態)に加えて、冷え性、腰痛、頭痛、頭重、ほてり、のぼせ、立ちくらみ等の症状が起こることがあり、こうした症候群を更年期障害と呼びます。

血の道症、お血とは

お血とは、漢方薬用語の一つで、血が滞っている状態を指します。例えば普通の生理よりも血のカタマリやドロドロがたくさん出たり、生理がスムーズに来なかったりするような時などに「お血がある」と言います。

生理の時にドロリとしたレバー状のカタマリが出ているような時は、早めに婦人科を受診しましょう。

不定愁訴

不定愁訴とは、「原因は分からないけど、なんとなく調子が悪い」状態のことをいいます。

ホルモンバランスが乱れて、自律神経のバランスが崩れたときに女性は月経や、更年期障害などで様々な症状に悩まされます。その症状は肩こりや腰痛、ほてりやめまい、気うつやイライラ、不眠や頭痛、動悸や息切れなど身体的なものから、精神的なものまで多岐に渡ります。

女性の不定愁訴には、漢方薬が適していると言われています。

婦人薬の代表的な配合成分

女性ホルモン成分・・・人工的に合成された女性ホルモンの一種であるエチニルエストラジオール、エストラジオール。

エチニルエストラジオール、エストラジオールの長期連用は、血栓症を生じる恐れがあり、乳がんや脳卒中の発生確率を高めます。継続して使用する場合は、医療機関を受診しましょう。

生薬成分・・・サフラン、コウブシ、センキュウ、トウキ、ジオウ

サフラン(アヤメ科のサフランのめしべ)、コウブシ(カヤツリグサ科のハマスゲの根茎)は、冷え性、血色不良に用いられます。鎮静・鎮痛のほか、女性の滞っている月経を促す作用を期待して配合されます。

センキュウ(セリ科のセンキュウの根茎)、トウキ(セリ科のトウキ又は近緑植物の根)、ジオウ(ゴマノハグサ科のアカヤジオウの根)は血行を改善し、血色不良や冷えの症状を緩和するほか、強壮、鎮静、鎮痛等の作用を期待して配合されています。

漢方薬・・・事項参照

女性の月経や更年期障害に伴う症状の緩和に用いられる漢方処方製剤

婦人科3大漢方薬

「当帰芍薬散」、「 加味逍遙散」 、「 桂枝茯苓丸」の3つで婦人科3大漢方薬 と呼ばれています。婦人科三姉妹とも呼ばれ、婦人科において月経不順などによく処方されます。

漢方薬読み方特徴・効能
①当帰芍薬散とうきしゃくやくさん妊娠中にも比較的安心して使える漢方薬で、流早産の予防にも使われます。
②加味逍遙散(カンゾウ含)かみしょうようさんイライラや不眠、不安のある時に使います。
③桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがん妊婦には禁忌です。 更年期障害のほてりにもよく使います。

その他の漢方薬

漢方薬読み方
④温経湯(カンゾウ含)うんけいとう
⑤温清飲うんせいいん
⑥五積散(カンゾウ、マオウ含)ごしゃくさん
⑦柴胡桂枝乾姜湯(カンゾウ含)さいこけいしかんきょうとう
⑧四物湯しもつとう
⑨桃核承気湯(カンゾウ、ダイオウ含)とうかくじょうきとう

・温経湯は冷えがある人や不妊治療にも使われます。温経湯は手足がほてり、唇が乾く人における、月経不順、月経困難、こしけ(おりもの)、更年期障害、足腰の冷えなどに適するとされるが、胃腸の弱い人では不向きとされます。

・五積散は慢性に経過し、症状の激しくない胃腸炎、関節痛、月経痛、冷え性、更年期障害など適するとされますが、マオウを含むため、身体の虚弱な人、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では不向きとされます。

どんな時に婦人科の受診が必要か

婦人科を受診する3代理由は「不正出血」「おりもの異常」「月経不順」です。

以下の場合には、速やかに婦人科を受診しましょう。

①生理以外の時に出血がみられる場合。

生理以外の出血を不正出血と呼びます。不正出血は、さまざまな病気が原因で起こる可能性のある症状です。量や色に関係なく、病気のサインかもしれません。

②おりものが多かったりひどく匂う場合。

おりものは女性生殖器からの分泌物で、卵巣が働いている間はほとんどの女性に見られます。おりものの量が急に増えたり、膿のようだったり、臭い場合は、膣や子宮に炎症や感染症を起こしている可能性があります。

生理の症状に異変を感じた場合。

10代で初めて初潮をむかえた日から、毎月、毎月の付き合いとなる生理。自分にしか分からない体のSOSに、気が付いてあげましょう。生理痛もひどい状態が続く場合は、婦人科に行って相談してみるのが良いです。

まとめ

健やかクローバーまとめ&ポイント

ドラッグストアなどで購入することができる婦人薬を使用する場合、婦人薬を使用して1か月経過しても症状の改善が見られない時には、医療機関での受診が必要です。

なんとか今まで大きな異常がなかった著者にとって、婦人薬は更年期障害の症状の緩和に飲むイメージがありました。しかし10代から、女性の誰もがお世話になる可能性のある医薬品なのです。

人によっては婦人科に行くのは緊張しますよね。出産でお世話になった筆者でさえも少し敷居が高く感じます。子宮頸がんの検診など、定期的に行くようにしなければと思います。皆さんも不調を感じた場合は早めに、婦人科を受診してくださいね。

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