笑気麻酔とは
笑気麻酔とは、正式名称「笑気吸入鎮静法」といいます。無痛治療の一環で、恐怖や不安の強い人に使用されます。健康保険が適用できるので、歯医者さんや美容外科などでもよく耳にするようになりました。
医療用ガスの一種である、亜鉛化窒素(あさんかちっそ)と医療用酸素を用いた麻酔です。笑気という気体を鼻から吸い込み、鎮静、鎮痛の作用により痛みや不安を感じにくくなります。
意識が無くなることはなく、頭はぼーっとして身体はふわっとした感じになります。1時間や2時間をあっという間で、治療が終わればすぐに動けるので自分で帰宅することが可能です。
笑気麻酔の特徴として、鎮静作用と鎮痛作用があげられます。
笑気麻酔を吸入すると、恐怖心や不安が軽減され、痛みを感じにくくすることができます。
笑気麻酔と全身麻酔の違い
全身麻酔は意識や記憶がなく、受け答えをすることが出来ませんが、笑気麻酔は受け答えがしっかりできます。笑気麻酔は、注射と違って鼻から吸入するだけなので、気分的にもハードルが低いですし、子供でも受けることができます。
経験談
著者は35歳ごろから、採血や歯科治療で過呼吸を起こすことがありました。痛みに弱くもともと病院が苦手ではあったのですが、だんだん身体が拒絶反応を起こすようになったのです。病院でパニック発作を伴う不安障害と診断されました。その話は他の記事で書いていこうと思います。
治療中の歯があるので、歯医者に通って歯の治療はしたいが、過呼吸をおこすと周りに迷惑がかかるし、自分自身も怖くて苦しい思いするので悩みました。
笑気麻酔を受けながら治療すると恐怖や痛みが軽減すると知って、笑気麻酔をしてくれる歯医者さんで治療してもらうことにしました。
アンケートの記入と治療の意思確認
アンケートに名前や既往歴、現病歴、服用している薬、アレルギーなどを記入。先生とも少し話をして、治療したい意思を伝えました。時間をかけて少しずつ治療したほうが良いか、それとも早く治療を終えたいのかも聞いてくださって、前者のほうでお願いしました。
治療の開始
治療台に横になり、鼻のみに酸素ボンベのマスクのようなものをつけてくれます。「ゆっくり息をしていてくださいね」と歯科助手さんに声をかけられ、待つこと数分。先生がきてくれて治療開始。
1回目は歯医者さんも様子見なので、少しずつ慣らしていきましょうと言ってくれ、短時間で終わりました。
体験談まとめ
今では月に1回、治療に行っているのですが、基本ほとんど笑気麻酔をつけたまま治療してもらっています。麻酔をせず、少し削るぐらいの時は笑気麻酔が無くても我慢しています。
歯医者さんからしたら、パニックを起こすリスクのある患者を受けてくれているのです。普通の人より手間がかかるのですからイヤでしょう。そこの病院は、高齢などで歯医者に通えない方への訪問診療(在宅歯科診療)や、知的障害者をはじめとする障害者歯科、子供の歯科治療にも力を入れています。遠方からも私のように歯医者が苦手な人もたくさん来ているようです。
その歯医者さんは、いつも予約でいっぱいです。地域の中でガラガラの歯医者にも何か所か行ったことがありますが、やはり理由は分かります。経験上、良い先生がいる病院は患者さんでいっぱいなのです。待ってでも診てもらいたいということなのですから。
笑気麻酔ももちろん良いですが、私のような歯科治療に対する恐怖に理解のある、病院や先生のもとで治療してもらえることが、何よりも恐怖と不安を取り除いてくれています。